傾斜面の日射量

I. 評価法

1. はじめに

本節は、傾斜面に入射する日射量(直達成分・天空成分・地盤反射成分)、夜間放射量、および日射の入射角の計算方法を定める。

本節の計算は、次の値を必要とする。

  1. ステップ \(n\) における法線面直達日射量 \(I_{dn,n}\), W / m2

  2. ステップ \(n\) における水平面天空日射量 \(I_{sky,n}\), W / m2

  3. ステップ \(n\) における水平面の夜間放射量 \(R_{eff,n}\), W / m2

  4. ステップ \(n\) における太陽高度 \(h_{sun,n}\) , rad

  5. ステップ \(n\) における太陽方位角 \(a_{sun,n}\) , rad

  6. 境界 \(j\) の傾斜面の方位角 \(\alpha_{w,j}\), rad

  7. 境界 \(j\) の傾斜面の傾斜角 \(\beta_{w,j}\), rad

本節で示す計算の結果、次の値が得られる。

  1. ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射量の直達成分 \(I_{srf,dn,j,n}\), W / m2

  2. ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射量の天空成分 \(I_{srf,sky,j,n}\), W / m2

  3. ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射量の地盤反射成分 \(I_{srf,ref,j,n}\), W / m2

  4. ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面の夜間放射量 \(R_{srf,eff}\), W / m2

  5. ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射量の入射角 \(\theta_{aoi}\), rad

2. 記号及び添え字

2.1 記号

この計算で用いる記号及び単位を次に示す。

表1 記号及び単位

記号

意味

単位

\(a_{sun}\)

太陽方位角

rad

\(C_{\theta}\)

傾斜面に入射する日射の入射角の余弦

\(f_{gnd}\)

地面に対する傾斜面の形態係数

W / m2

\(f_{sky}\)

天空に対する傾斜面の形態係数

\(h_{sun}\)

太陽高度

rad

\(I_{dn}\)

法線面直達日射量

W / m2

\(I_{hrz,n}\)

ステップ \(n\) における水平面全天日射量

W / m2

\(I_{sky}\)

水平面天空日射量

W / m2

\(I_{srf,dn}\)

傾斜面に入射する日射量の直達成分

W / m2

\(I_{srf,ref,j,n}\)

傾斜面に入射する日射量のうち地盤反射成分

W / m2

\(I_{srf,sky}\)

傾斜面に入射する日射量の天空成分

W / m2

\(R_{eff}\)

水平面の夜間放射量

W / m2

\(R_{srf,eff}\)

傾斜面の夜間放射量

W / m2

\(\alpha_{w}\)

傾斜面の方位角

rad

\(\beta_{w}\)

傾斜面の傾斜角

rad

\(\theta_{aoi}\)

傾斜面に入射する日射の入射角

rad

\(\rho_{gnd}\)

地面の日射反射率

2.2 添え字

この計算で用いる添え字を次に示す。

表2 添え字

添え字

意味

\(j\)

境界

\(n\)

ステップ

3. 傾斜面に入射する日射量

ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射量の直達成分 \(I_{srf,dn,j,n}\) は、式(1)により計算される。

\begin{align*} I_{srf,dn,j,n} = I_{dn,n} \cdot \cos{ \theta_{aoi,j,n} } \tag{1} \end{align*}
ここで、
\(I_{srf,dn,j,n}\) : ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射量の直達成分, W / m2
\(I_{dn,n}\) : ステップ \(n\) における法線面直達日射量, W / m2
\(\theta_{aoi,j,n}\) : ステップ \(n\) におけ境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射の入射角, rad
である。

ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射量の天空成分 \(I_{srf,sky,j,n}\) は、式(2)により計算される。

\begin{align*} I_{srf,sky,j,n} = I_{sky,n} \cdot f_{sky,j} \tag{2} \end{align*}
ここで、
\(I_{srf,sky,j,n}\) : ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射量の天空成分, W / m2
\(I_{sky,n}\) : ステップ \(n\) における水平面天空日射量, W / m2
\(f_{sky,j}\) : 境界 \(j\) の天空に対する傾斜面の形態係数, -
である。

ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射量の地盤反射成分 \(I_{srf,ref,j,n}\) は、式(3)により計算される。

\begin{align*} I_{srf,ref,j,n} = \rho_{gnd} \cdot f_{gnd,j} \cdot I_{hrz,n} \tag{3} \end{align*}
ここで、
\(I_{srf,ref,j,n}\) : ステップ \(n\) に傾斜面 \(j\) に入射する日射量のうち地盤反射成分, W / m2
\(\rho_{gnd}\) : 地面の日射反射率, -
\(f_{gnd,j}\) : 境界 \(j\) の地面に対する傾斜面の形態係数, -
\(I_{hrz,n}\) : ステップ \(n\) における水平面全天日射量, W / m2
である。なお、地面の日射反射率 \(\rho_{gnd}\) は0.1とする。

ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面の夜間放射量 \(R_{srf,eff,j,n}\) は、式(4)により計算される。

\begin{align*} R_{srf,eff,j,n} = R_{eff,n} \cdot f_{sky,j} \tag{4} \end{align*}
ここで、
\(R_{srf,eff,j,n}\) : ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面の夜間放射量, W / m2
\(R_{eff,n}\) : ステップ \(n\) における水平面の夜間放射量, W / m2
である。

境界 \(j\) の地面に対する傾斜面の形態係数 \(f_{gnd,j}\) は、式(5)により計算される。

\begin{align*} f_{gnd,j} = 1 - f_{sky,j} \tag{5} \end{align*}

境界 \(j\) の天空に対する傾斜面の形態係数 \(f_{sky,j}\) は、式(6)により計算される。

\begin{align*} f_{sky,j} = \dfrac{1 + \cos \beta_{w,j} }{2} \tag{6} \end{align*}
ここで、
\(\beta_{w,j}\) : 境界 \(j\) の傾斜面の傾斜角, rad
である。なお、境界 \(j\) の傾斜面の傾斜角 \(\beta_{w,j}\)\(0\)\(\pi\) の範囲で定義され、面が天頂を向いている水平面で \(0\) rad、面が水平方向を向いている垂直面(壁面)で \(\pi/2\) rad、面が真下を向いているオーバーハング床等の表面で \(\pi\) radの値をとる。

ステップ \(n\) における水平面全天日射量 \(I_{hrz,n}\) は、ステップ \(n\) における太陽高度に応じて式(7)により計算される。

\(h_{sun,n} \ge 0\) の場合

\begin{align*} I_{hrz,n} = \sin h_{sun,n} \cdot I_{DN,n} + I_{sky,n} \tag{7a} \end{align*}

\(h_{sun,n} \lt 0\) の場合

\begin{align*} I_{hrz,n} = I_{sky,n} \tag{7b} \end{align*}
ここで、
\(h_{sun,n}\) : ステップ \(n\) における太陽高度, rad
である。

4. 傾斜面に入射する日射の入射角

ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射の入射角 \(\theta_{aoi,j,n}\) は、式(8)により計算される。

\begin{align*} \theta_{aoi,j,n} = \arccos ( C_{\theta,j,n} ) \tag{8} \end{align*}
ここで、
\(C_{\theta,j,n}\) : ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射の入射角の余弦, -
である。

ステップ \(n\) における境界 \(j\) の傾斜面に入射する日射の入射角の余弦 \(C_{\theta,j,n}\) は、太陽の位置(太陽が天頂に位置するか否か)に応じて式(9)により計算される。

\(\cos h_{sun,n} \ne 0\) の場合

\begin{align*} C_{\theta,j,n} = \max \left( \sin h_{sun,n} \cdot \cos \beta_{w,j} + \cos h_{sun,n} \cdot \sin \beta_{w,j} \cdot \cos( a_{sun,n} - \alpha_{w,j} \right) , 0 ) \tag{9a} \end{align*}

\(\cos h_{sun,n} = 0\) の場合

\begin{align*} C_{\theta,j,n} = \max \left( \sin h_{sun,n} \cdot \cos \beta_{w,j} , 0 \right) \tag{9b} \end{align*}
ここで、
\(a_{sun,n}\) : ステップ \(n\) における太陽方位角, rad
\(\alpha_{w,j}\) : 境界 \(j\) の傾斜面の方位角, rad
である。ただし、傾斜面 \(j\) の方位角 \(\alpha_{w,j}\) は、 \(-\pi\)\(0\)\(\pi\) の範囲で定義され、\(\alpha_{w,j}=\pm \pi\) が北を、 \(\alpha_{w,j}=-\pi/2\) が東を、 \(\alpha_{w,j}=0\) が南を、 \(\alpha_{w,j}=\pi/2\) が西を表す。なお、太陽の位置が天頂にある場合は定義されない。

II. 根拠

作成中